エゴマの栽培方法

1人1aで、1年の必須脂肪酸2,3人分の自給ができます。

毎日食べるために、畑のある方は、0.3aから始めましょう!!

失敗しない栽培方法は著書にて詳しく紹介しています。

栽培Q&A~ こんなご質問がありました

Q1営農型太陽光発電のパネル下でエゴマ栽培を予定しているのですが、その際パネル下(遮光率50% )残り50%の光で栽培は可能ですか? (Fさん)

A1ご質問に十分お応えできるかわかりませんが、できる範囲でお答えします。

エゴマは半日陰でも栽培できる作物ですので良いと思います。

ただし、これは普通圃場の栽培でも同じですが、

①風通しの良い畝間の幅を取るか、挟み込んで畝間を空けるようにする、

②苗の植え付けで、根ばりよくするために斜め植えする。

③摘心

など栽培上のポイントを押さえる事、

④収穫からが手間がかかりますので、その辺の時間を確保するよう計画ください。

2月に「楽しく育てる エゴマ 栽培・利用加工」の本が創森社よりでましたが、そちらも参考になると思います。ご覧ください。

Q 何年も栽培していて、黒穂病が出るようになってしまいました。土には白いきのこが生えています。この地方特有の現象のようです。この病気がなかったころは反収100kとれてましたが、今ではどの畑でも必ず出て、70k、80kしか取れません。(福島県Kさん)

A  黒穂病、深刻ですね。水はけが悪いのではないようなので、おっしゃるように生の殻を漉き込んだりして、腐敗菌がはびこり、黒穂病が発生し、その病気の殻も漉き込むので悪循環というわけですね。

嫌気性のカルス(リサール酵産)http://www.resahl.co.jp/product/index.htmlをご紹介します。

長年化学肥料や農薬に頼らない土つくりを研究されている会社ですので、相談されたらどうでしょうか。

 土の健康のためにもう一つ方法を提案します。

畑のところどころに穴(20センチ直径深さ30㎝)を掘るのも、自然栽培の最近の方法として、実践報告を聞きました。ガス抜き、空気の流れを促し、水の流れもうまれ、微生物が活性化するのではないかと思います。(大地の再生矢野智徳さん)

畝の肩のところを千鳥に6メートル間隔に掘って、野菜の生育が格段に違ったという報告があります。

エゴマではまだ、試していませんが、やってみようと思っています。

収量が多かった人のわざは?

無農薬、無肥料栽培しよう!

種について

早生、中生、晩生があります。葉用のエゴマは葉がやわらかく分厚い韓国種、または白種がいいでしょう。中生は、1010日前後の刈り取り、晩生は1020日ころ刈り取りです。寒い地方では中生で。種取はシソや、他の品種のエゴマが付近にないものを取ります。

種まき

直播き栽培も移植栽培も5月20日すぎから、6月15日(収量は少なくなりますが可能です)6月蒔きの方が、定植時が遅いので、苗の根きり虫害が少ない。

 

直播栽培:耕した畑に筋播きします。日光が射しがっしりした木を作るため、また後に機械で土寄せができるように、畝幅は90センチ以上取ります。株間は20㎝から30㎝くらいになるよう、点蒔き、筋蒔きします。筋播きした間引き苗は移植栽培、補植に使えます。

ただし、発芽条件が悪いと(湿度が一定に保たれないと)発芽が悪くなります。

その分を考えて密に蒔くか、コーティングした種をまくことも大規模栽培には一つの手段だと思います。

移植栽培:苗は高さ10㎝から20㎝位で定植します。セル苗を作っての移植は省力につながります。

 

とにかく、根をたくさん出させることがポイントです。仮植えする等根を一度傷めて栽培する方法をとって多収穫した例もあります。(豆栽培にこの方法があります)

定植

畝間90㎝、株間25㎝から40㎝で定植します。

苗の育成

畑で苗を育成する場合除草、間引きはエゴマが7,8㎝位になるまでに3㎝間隔に間引きをして、エゴマの周りの除草もていねいにします。

草取り

エゴマから離れた所は、草がひどければ草刈機で除草して、中耕し土寄せします。

畝間の中耕と、土寄せによって草を抑えます。

摘心

3節で摘芯し、早蒔きや、生育旺盛な場合、2回3回とします。遅まきの場合はしない 方がいいです。摘心した葉は乾燥してお茶に、又は漬物、つくだ煮、生食等利用できます。

土寄せ

中耕と除草を兼ねて土寄せします。根張りが良いと台風に倒れないしっかりしたエゴマができ、粒も大きく油の量も多いです。2回から3回すると丈夫なエゴマになります。 

田んぼの転作で作る場合など水はけが悪い場合、最初から畝を高くして栽培します。

刈り取り

ここが重要ポイントです。

葉全体が黄色くなったら、刈り取ります。

穂先が茶色くなり始めた時も目安です。 

草刈機で根元を刈っていきます。

手作業ならのこぎり鎌がいいです。

刈ったエゴマを3,4束束ねておきます。

この紅葉の時期に刈り取って縛ばれば脱粒が防げます。

しかし実の色が白いうちは早すぎます。

早すぎるのも収量減の原因ですので、刈取りは1週間を目安に適期に行います。

茶色くなるまで干します。

畑でそのまま干しておいてもいいですが、

もし屋内で入れるところがあれば、

シートを引いて束ねたものを重ねすぎないように並べます。

 

このとき蒸れないように、風を通す並べ方か、扇風機をかけるのもいいです。

蒸れてしまえば、かびて、実が台無しになります。要注意

 

野外でそのまま干す場合には、ひもでかるく束ねます。

 

1週間ほど屋外に干したら、雨や、台風が当たってしまうと、脱粒しますので、

野外でシートをひいて集め、夜露にあたらないようにしておくか、

屋内に集めて、干し上げますと

脱穀作業が転機に左右されないので収量確保できます。

脱穀

叩きつけると飛ぶので、

簡易テントに防虫ネットでカバーをした場所で、

板にエゴマの 枝を叩きつけて実を落とします。

選別

ふるいにかけて大きなゴミを出します。

唐箕にかけて、細かいごみを吹き飛ばします。

この時エゴマは軽いですので風の強さを加減します。

乾燥

一旦乾燥させます。

この乾燥を行ってから水洗いします。

乾燥が不十分ですと水洗いの時に沈むエゴマが増えてしまいます。

また、湿ったエゴマは酸化し品質を落とし、

食べることもできなくなります。

 

保存も短期間となりますのでこの乾燥作業は必ずしましょう。

要乾燥です。

この状態で保存ができます。

洗いをあわてないことです。

虫も出ていきますので、大切な作業です。

水洗い

桶に水を張り、エゴマを入れます。

下に土や、細かい石が沈みます。

よく混ぜて洗います。洗濯機のすすぎ洗いのように水を混ぜて汚れを落とします。

洗ってから、混ぜるのを止めて、

浮いてきたエゴマを網ですくってザルにあげます。

エゴマに水がしみこまないように

あまり長くやりすぎないよう、

1分位ですぐにあげるのが大事です。

この作業をもう一回繰り返し、その時水の濁りがひどいようならもう一度しますが、水に入れる時間をなるべく少なくします。

ごしごしこすったりせずすばやく混ぜてざるであげます。

やりすぎは要注意です。

ただし汚れは油のオリの原因になります。水の汚れがなくなるまでは繰り返して洗いましょう。

エゴマの品質を左右する洗い作業です。

再度の乾燥

網戸の網等の上に2センチくらいの厚さで並べて、干します。

高温での乾燥はエゴマが酸化するので、要注意です。

強い風にも注意してください。

上にも網をかぶせると鳥の被害から守れます。

保存法

食べてカリカリするくらいしっかりと乾燥させて水分空気の入らない袋で保存しますと1年以上の長期保存できます。米袋では低温保存が肝要です。5月以降は常温では品質低下します。買った方にも冷蔵保存を勧めてください。

土つくりについて

土つくりは、いつも土が発酵状態にあることを念頭に入れ、

腐敗したもの、腐敗しそうなものは土には厳禁です。

 

よい堆肥でも、自然条件の中では腐敗を招くので、

表面に土と撹拌していれるようにして、深く入れないようにすることは大切です。

 

草木、枯れ枝葉、ねかしておいた木や竹のチップ等、

土の中の微生物が喜んで食べ、

仲間を増やすような有機物を入れると、

土が深く耕され、根切り虫の害、病気の出ない健康な土になります。

エゴマは肥料のそれほどいらない作物です。

水はけを良くする環境整備、土寄せ、有機物の分解を進めて、

健康でおいしいエゴマを生産しましょう。

健康で元気な自分の若返りに

詳しくは「楽しく栽培 エゴマの栽培・利用加工」

日本エゴマ普及協会編 服部圭子著をご覧ください。

発行:創森社